令和6年3月1日(金)死刑制度の在り方に関する質疑について

令和6年3月1日(金)法務大臣閣議後記者会見の概要

死刑制度の在り方に関する質疑について

【記者】
昨日、「日本の死刑制度について考える懇話会」が発足し、第1回会合がありました。諸外国の情勢でありますとか、死刑の代替刑などについても議論される見通しとなっています。死刑制度につきましても改めて大臣の御見解をお伺いします。

【大臣】
御指摘の懇話会の発足は、承知しております。死刑制度の在り方は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題でありまして、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等、種々の観点からこれも慎重に検討すべき問題だというふうに思います。世論調査によれば、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、一方で、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たないという状況等に鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないのであり、死刑を廃止するということは適当ではないというふうに考えております。その上で、死刑制度の在り方については、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる問題であり、御指摘の懇話会を含め、多くの国民の皆様がその必要性を感じて自ら議論に参加するというような形で、幅広い観点から議論がなされるということが適切であると思います。そのような御議論の動向については、法務省も関心を持って注視していきたいと、そういうふうに思っています。